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愁嘆場   大野南淀

1.オールバック、その発生と構造

美人
というのだろうか
それとも処世とでも
いっておくべきだろうか
浚わずに
追い抜かずに
川を渡る風がある
触ってみる
スカーフがはためく

こういう時に 所詮の
間合いが難しく
欄干なんぞがのっけるには
あなただって別れたのだから
分かるでしょう、お父さん
と言ってきた口であり こちらも
そんな口に今しがたなってしまったから
それを飲むしかあるまい
走れ、所詮 二次資料も後れずにな
鬢付け油がとても匂う

そうこう詮索、宗教劇〈山格好〉
今は自分がないから
むしろないことこそ 薪能だから
告解しなくとも
ちょー人間関係ですよね
そーっすね(さすが意味付け、不衛生)
だから引きつる小屋は
自動的に
立て看板とされ
する方 される方 冗談でしかない
箆にはがされたおコゲは
馥郁とし 甚く救われていたのだから
言ってみればとってもヒューマニズムなのだ
ヒューマンではないだけで
山から来た額があって
つるっとしている

女の人を動かす自転車も絶世である
ペダルからはみ出た爪などが 劇場の
動かない背中を逆向けになでる
こちらもまた関係だ
この風はかわゆく
足場の難しい処世なのだ

2.話は逸れるが、千本桜

膝まずくと
膝が痛い
もっと丁寧に言うならば
膝蓋上包が
感じているのだね
きっと、水がいい具合に
細い糸に引かれて
そこから育っていくのだろう

そこではどのような波が風を
ございましょう
などとほざく悪源太は
掻き分けるのも所詮であるから
劇中カットに
ほうりおくのだが
ここで 一段飛ばしに ぴょんぴょん 
跳ねてくるもの
笑顔で 再会したがるもの
〈五次資料〉である
ここまで水がたまると
かえって奥ゆかしく澄むのだよ
見晴らしがよい
麓も見える

無用であった舞台では
いつかのオルガン弾きが いつまでも
転調しないエンディングテーマ
〈ヒューマンだもの〉 油断すると
意外に深い 膝蓋の孔をすり抜け
路地裏の引きずる靴音
サンダル音を通り
無形ゆえにか
安心して
形ある一次文字を見下ろそうとするのだが
そんなものには たどりつかずに
ないのだからと またもほっとし
間抜けなのね、あなた 
と声も届かず ふと
追いつかなかった そちらに
父と娘だけは
なぜだか再会しておるのであり
背中の向こうに 清潔な枝
はらはらと 互い
見遣り 
かきあげる指など要らず風にまかすのだ




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